″コロナ疲れ″の癒しアイテムとして香り市場が拡大! ストレス・不安をアロマで解消 お悩みに合わせた精油の選び方もご紹介
コロナ禍で香り市場が拡大
人により新型コロナウイルス対策の温度感が異なり、日々のコミュニケーションにも気を使うようになった毎日。そんな世の中の雰囲気でコロナ疲れやストレスを感じてしまう中、多くの人が香りに癒しを求めています。
その影響は特に自粛中のおうちで使うアイテムに表れました。マーケティングリサーチ会社インテージが行った調査によれば、2020年1-5月の金額前年比ランキングにおいて「芳香剤・消臭剤」は前年比150%を記録。コロナ禍で必須になったマスクなどの衛生用品に続いて11位という結果に。2020年の1-5月といえば、初めての緊急事態宣言発令により多くの会社や学校が在宅勤務に切り替わった時期です。突如始まったおうち時間に、少しでも快適かつリラックスできる空間を求めていたことが伺えます。
2020年1-5月の金額前年比ランキング
出典:「インテージ知る Gallery 」 2020年12月7日公開記事
香りがストレス対策に良い理由
人は嗅覚を担う鼻腔で香りの分子をキャッチし、それが感情・本能を司る大脳辺縁系で記憶と香りを結合。これにより過去に感じた香りとその時の記憶をマッチングさせます。その後、自律神経系の調整を行う視床下部へ。自律神経系、免疫系、内分泌系の機能のバランスを整え、体や心に影響を与えるため、ストレス対策として役立ちます。
https://www.aromakankyo.or.jp/basics/introduction/mechanism/
様々ある「香り」を使ったリラックス法の中で特におすすめなのがアロマセラピー。
東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部 看護学科 朝澤恭子准教授によると、アロマセラピーとはアロマ(芳香)+セラピー(療法)からなる言葉で、植物から抽出された精油を用いて、疾病の治療や予防、心身の健康やリラクゼーション、ストレス解消することを目的としています。
精油(エッセンシャルオイル)ごとの作用
アロマセラピーで用いる精油(エッセンシャルオイル)は植物が産出する揮発性の油で、それぞれに特有の芳香・効能があります。
精油 | 作用 |
ラベンダー | リラックス効果、不安や不眠を改善 |
イランライン | リラックス効果催淫作用、女性ホルモンの調整 |
オレンジ | リフレッシュ効果、幸福感アップ、食欲抑制・代謝アップ・脂肪燃焼促進 |
グレープフルーツ | リフレッシュ効果、食欲抑制・代謝アップ・脂肪燃焼促進 |
レモン | リフレッシュ効果、食欲抑制・代謝アップ・脂肪燃焼促進 |
ゼラニウム | 抗うつ、ホルモンバランス調整、女性ホルモンの調整、鎮静、筋肉弛緩、抗菌 |
ペパーミント | リフレッシュ効果、清涼感、鎮痛、鎮痒、冷却、防腐、殺菌 |
レモングラス | 抗菌、殺菌、抗腫瘍作用、風邪の予防、腹痛、下痢の緩和、リフレッシュ、虫よけ |
カモミール | 気分が落ち着く、鎮痛、鎮静 |
コリアンダー(パクチー) | 安心感、心の平穏、胃腸の働き、消化助長、活性酸素除去 |
ナツメグ | 心に元気と活力を与える、活性酸素除去 |
お悩み別おすすめの精油
それぞれ作用が異なる精油は心身の状態に合わせて使い分けることで症状の緩和に役立ちます。女性に多いトラブルやお悩みの緩和に役立つ精油も多いです。
月経不順、PMS(月経前症候群)、更年期障害
イランイラン
ゼラニウム
スッキリしたい
レモン
ペパーミント
ストレス、不安、不眠
ラベンダー
オレンジ
冷え性
ジンジャー
ひのき
食欲不振
ナツメグ
コリアンダー(パクチー)
片頭痛
ラベンダー
イランイラン
精油の使い方
精油には様々な使い方があり、TPOや気分、体調に合わせて楽しむことができます。
例えば寝る前のリラックスタイムには芳香浴や蒸気吸入、バスタイムでは沐浴やお風呂後のトリートメントとして使用するのがおすすめです。
▷芳香浴
ティッシュやハンカチに精油を1~2適たらして 枕元に置く。
▷蒸気吸入
お湯に精油を1~3滴落とし、立ち上がる香りの湯気を楽しむ。
▷沐浴
浴槽に適温の湯を張り、精油を1~7滴入れてよくかき混ぜ、
肩まで浸かる。
▷手浴
洗面器などに精油を1~3滴落として手を浸す。
▷足浴
洗面器やバケツに精油を1~3滴落とし、足を浸す。
ふくらはぎまで入るバケツがおすすめ。
▷湿布
洗面器に適温の湯を張り、精油を1~3滴垂らす。
タオルを浸し、精油を含む面が内側になるように折りたたんでから軽く絞り、湿布する部分にあてる。
▷トリートメント
植物性のオイル(アーモンドオイルやホホバオイル)をベースに、
精油を1%以下の濃度(10ccのオイルに精油1~2適ほど)になるように混ぜて、肌に塗布する。
※肌が弱い方や、子どもには、アーモンドオイルよりも刺激の少ないホホバオイルをベースオイルに使用するのがおすすめです。
精油を使用する際の注意点
・精油は必ず希釈する。
・オレンジやレモンなどの光毒性のある精油の使用後は直射日光を避ける。
※光毒性:紫外線などの光を受けることによって生じる毒性。
通常は人体に無害な物質が光化学反応を起こして炎症を引き起こす毒性などを指す。
・妊娠中は避ける(収縮、弛緩の作用で胎児への影響が出る可能性があるため)。
・悪性腫瘍や炎症部位、放射線治療部位への使用は避ける。
・1歳未満の子どもへの使用は避ける(脳への刺激が強すぎる恐れがあるため)。
・1際未満の子どもの側で使用するのを避ける(子どもがいる部屋とは別の部屋でアロマを使うなど)。
長引くコロナ禍と寒暖差の激しい季節になっていますので、おうち時間を活用したリラックス方法としてお試しください。