太宰府天満宮の屋根に“森”が出現。重要文化財「御本殿」124年ぶり“令和の大改修”に伴い、特別な「仮殿」を建設

菅原道真公1125年式年大祭という大きな節目に向けて 約3年限定の仮殿を建築家・藤本壮介氏がデザイン・設計 令和5年5月に仮殿完成、令和8年頃御本殿工事完了予定

太宰府天満宮では、学問・文化芸術・至誠の神として広く仰がれております菅原道真公(天神さま)にご縁の深い25という数に因み、25年毎に式年大祭を執り行い、ご神威の甦りと天神信仰のさらなる発揚を繰り返してまいりました。そして令和9年(2027)に、菅原道真公が薨去(こうきょ)されてから1125年という大きな節目を迎えます。

当宮では、この節目となる式年大祭を前に、令和5年5月より約3年間をかけ、124年ぶりに重要文化財「御本殿」の大改修を行います。さらに改修期間は、御本殿前に「仮殿」を建設し、御参拝の皆様をお迎えします。

仮殿のデザイン・設計は、国内外で活躍する建築家であり、大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーも務める藤本壮介氏率いる藤本壮介建築設計事務所が手がけ、本日その完成図をお披露目いたしました。3年間しか表出しない仮殿、だからこそ天神さまにも御参拝の皆様にも喜んでいただける場所にとの思いで、藤本壮介氏にデザイン・設計していただきました。

太宰府天満宮の屋根に“森”が出現。重要文化財「御本殿」124年ぶり“令和の大改修”に伴い、特別な「仮殿」を建設

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御本殿の改修計画

現在の御本殿は、約430 年前に筑前国主小早川隆景公が再建したもので、桃山時代の豪壮華麗な様式を伝え、国の重要文化財に指定されています。令和5年2月より仮殿の建設を行い、同年5月頃より3年をかけて国の重要文化財 御本殿の檜皮の葺替え、漆塗りなどを中心に防災工事も含めた大改修を行います。
これほど長期間にわたる修理は、御本殿再建以来初めてのこととなります。守り継がれてきた伝統を未来へ継承し、美しい姿を蘇らせるべく、伝統技術を用いて傷んだ箇所を修理することはもちろんのこと、建築史や歴史学の専門家を中心に有識者会議を立ち上げ、修理と並行して調査・研究を行い、御本殿の歴史的価値と文化的意義の再評価を行ってまいります。

令和4年(2022)11月22日 仮殿完成図披露
令和5年(2023)2月初旬 仮殿着工
令和5年(2023)5月中旬 仮殿完成
令和5年(2023)5月中旬 御本殿改修工事着工
令和8年(2026)頃 御本殿改修工事完了予定
▲前回の檜皮葺替えの様子(平成2年)
▲前回の檜皮葺替えの様子(平成2年)

仮殿の設計

御本殿の大改修に際して、御祭神の御神霊を仮安置するために設けられる御社殿、「仮殿」を令和5年の5月に建設いたします。仮殿のデザイン・設計は、国内外で活躍する建築家であり、大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーも務める藤本壮介氏率いる藤本壮介建築設計事務所が手がけました。仮殿遷座祭後、神事や参拝は仮殿で行います。

鎮守の杜に囲まれたこの地で、1千百年以上お鎮まりになる天神さまに心地よくお過ごしいただける環境であることはもちろんのこと、天神の杜との調和を重視し屋根に木を植えるという、新しくも穏やかで美しいデザインとなりました。また御本殿と異なり、仮殿には靴を脱がずにお上がりいただけます。さらにスロープを設けており、年配の方やお子様連れにも配慮した設計となっております。斎場の広さも現在の御本殿と変わらずゆとりある空間で御参拝をいただけます。

▲外観(横から)
▲外観(横から)
▲内観
▲内観

建築家プロフィール・コメント

■藤本壮介氏プロフィール
■藤本壮介氏プロフィール
1971年北海道生まれ。
東京大学工学部建築学科卒業後、2000年藤本壮介建築設計事務所を設立。2014年フランス・モンペリエ国際設計競技最優秀賞(ラルブル・ブラン)に続き、2015、2017、2018年にもヨーロッパ各国の国際設計競技にて最優秀賞を受賞。国内では、2025年日本国際博覧会の会場デザインプロデューサーに就任。2021年には飛騨市のCo-Innovation University(仮称)キャンパスの設計者に選定される。

主な作品に、ブダペストのHouse of Music (2021年)、マルホンまきあーとテラス 石巻市複合文化施設(2021年)、白井屋ホテル(2020年)、L’Arbre Blanc (2019年)、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013 (2013年)、House NA (2011年)、武蔵野美術大学 美術館・図書館 (2010年)、House N (2008年) 等がある。

■藤本壮介氏コメント
太宰府天満宮周辺に広がる、豊かな自然が御本殿前に飛翔し、仮殿としての佇いを作り上げることをコンセプトとしています。これは太宰府に古くから残る、道真公を慕う梅の木が一夜のうちに太宰府まで飛んできた、飛梅伝説から着想を得たものになります。
仮殿では梅の木の他にも天満宮周辺の植物が回廊内に軽やかに舞い、道真公の為の住まいの屋根を創りあげています。屋根の上の植物は、天満宮周辺の環境と共に、季節や天候によって様々な移ろいを見せることでしょう。
斎場内は、現代的なプロポーションと伝統的な空間が水平線上に広がり、御扉を中心とした祭壇が、森の影の中から印象深く映えることを意識しています。
内部に近づくとルーバー状の天井が曲面状に現れますが、これは御本殿の伝統的な垂木を踏襲しており、厳粛な空間を想起させることを期待しています。
さらに内部に踏み入ると、斎場の天窓から美しい空と共に森が目に飛び込み、再び天満宮の豊かな自然を体全体で感じることができます。

宮司コメント

■太宰府天満宮 第40代宮司 西高辻󠄀信宏 コメント
■太宰府天満宮 第40代宮司 西高辻󠄀信宏 コメント
平成31年4月1日に太宰府天満宮宮司に就任し、先祖代々が大切に護り伝えてきた御本殿の大改修を担うこととなりました。
私は常日頃より「当宮は御参拝の皆様の心の拠り所であり、お参りをされた後には元気になってお帰りいただきたい」と考えております。天神さまが永遠に鎮まる聖地として、また過去から未来へと続いていく時間軸の中で、「今」を預かる私どもには、歴史の中で紡がれてきた物語や携わった人々の想いを知り、今を生きる方々に伝える責任があります。
約3年間を要する大改修に於いて、むしろ約3年間しかお参りをいただけない、令和の時代だからこその魅力的で特別な仮殿を造りたいと、様々なプロジェクトで挑戦を続ける藤本壮介氏にデザイン・設計をお願いした次第です。

【参考】菅原道真公とは

菅原道真公は、承和12年(845) 6月25日に 京都でお生まれになりました。幼少期より学問の才能を発揮され、努力を重ねられることで、一流の学者・政治家・文人としてご活躍なさいました。 しかし、無実ながら政略により京都から大宰府に流され、延喜3年(2月25日、道真公はお住まいであった大宰府政庁の南館(現在の榎社)において、ご生涯を終えられました。門弟であった味酒安行が御亡骸を牛車に乗せて進んだところ、牛が伏して動かなくなり、これは道真公の御心によるものであろうと、その地に埋葬されることとなりました。延喜5年、御墓所の上に祀廟が創建され、立派な御社殿が建立されました。その後、道真公の無実が証明され、「天満大自在天神」という神様の御位を贈られ、「天神さま」と崇められるようになりました。

【参考】式年大祭とは

当宮では、天神さまにご縁の深い25という数に因み、25年毎に式年大祭を執り行い、ご神威の甦りと天神信仰のさらなる発揚を繰り返してまいりました。道真公の御墓所という唯一無二の聖地であり、道真公が永遠に鎮まる場所として、式年大祭の折には脈々と受け継がれてきた文化財の調査をはじめとして、境内環境や建造物群の整備、杜の保全活動を進めるとともに、広く日本文化の発展に寄与すべく、様々な事業に取り組んでおります。併せて、様々な記念事業の企画・開催を通して25年に1度の大祭を皆様とともにお祝いいたします。

【参考】太宰府天満宮とは

太宰府天満宮とは

太宰府天満宮は、全国天満宮の総本宮であり、菅原道真公の御墓所の上に御社殿を造営し、その御神霊を永久にお祀りしている神社です。 「学問・文化芸術・至誠の神」として、日本全国はもとより広く世の御崇敬を集め、年間に約 1000 万人の参拝者が訪れています。

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