東急エージェンシー、三菱食品、unerryがOOH広告の購買効果可視化サービスを開始
目的と背景
近年、OOH広告はブランドとの接触機会として再評価されていますが、「実際の購買にどれだけ寄与しているのか」という点が、企業のマーケティング活動における重要な課題として認識されていました。
OOH広告はデジタル広告のように直接的なコンバージョン計測が難しく、投資対効果の把握が限定的である点が従来の課題でした。こうした背景を受け、3社はOOH広告の効果を購買データまで紐づけて検証するサービスを共同で提供することとしました。
サービスの概要と特徴
本サービスは、東急線沿線のOOH広告(屋外・交通・店頭サイネージ広告など)の効果を「広告を見たか(見る可能性があったか)」に加え、「実際に購買につながったか」までを定量的に可視化します。

(特徴1) OOH広告×購買データの統合分析
東急線沿線の流通データ(許諾データに限る)を活用し、東急線沿線を利用する約500万人を対象に、OOH広告の接触可能性を精度高く把握します。
(特徴2) 定量的な購買効果検証
広告接触可能者と非接触者の比較により、購買効果(購買率や1人あたり購買金額)を算出します。事前検証では複合接触可能者の購買率が非接触者の約1.9倍となるなど、OOH広告の効果が明確に確認されています。
(特徴3) 複合メディア接触の効果を可視化
駅広告・車両広告・街メディアに加え、デジタル広告も含め、単独・複合接触による効果を分析可能です。(デジタル広告については、分析を前提とした配信プランニングが必要となります)
事前検証で確認された購買リフト
1. 飲料カテゴリーA
渋谷の大型ビジョン2媒体で実施された広告について、広告接触可能者と非接触者の購買行動が計測されました。
- 単独媒体の接触可能者:購買率が非接触者の約1.8倍
- 2媒体の複合接触可能者:購買率が非接触者の約1.9倍
媒体接触を重ねるほど購買率が高まる傾向が確認され、複数OOH媒体を組み合わせたプランニングの有効性が定量的に示されました。駅・車両・街と生活動線上に複数の接点を持つ「複合接触」による購買率向上は、本サービスと連動した広告出稿の強みです。
2. 飲料カテゴリーB
車両で実施された広告においても、広告掲出期間中の広告接触可能者の対象商品購買率が非接触者の約2倍となり、1人あたり購買金額も約1.1倍となる結果が確認されました。駅・街の大型ビジョンから車両広告まで、媒体タイプを問わず購買への寄与を同一の物差しで検証できることが本サービスの特徴です。
また、一連の実証を通じて、東急線沿線OOHの接触可能者は対象店舗での購買接点に近い生活者層であることが確認されており、「日々の買い物の動線上で生活者に届く」という東急OOHのメディア特性が裏付けられました。
各社の役割
- 東急エージェンシー:OOH広告プランニング・広告運営・販売を担当。Phygital Syndicate※1の取り組みの一環として、自社で設置したbeacon由来の位置情報データ(TOQ MOBILE ID)も提供します。
- 三菱食品:DDマーケティング※2の取り組みとして、流通・購買データを活用した購買分析・購買リフト算出を担当します。
- unerry:OOH広告の効果測定サービス『Beacon Bank for OOH』※3の取り組みの一環として、位置情報データを活用した広告接触や来店・購買行動推定、分析を担当します。
※1 Phygital Syndicate:東急エージェンシーが推進するフィジカル+デジタル(Phygital)を推進するプロジェクト。フィジカルな媒体であるTOKYU OOHをデジタル技術による表現手法や位置情報データを活用した効果測定など様々な視点での活用を推進しています。
※2 DDマーケティング:三菱食品が推進する、データ分析とデジタルマーケティングを掛け合わせ、効果的な集客・広告販促施策を小売業・メーカーに提案する新しいマーケティングの形です。小売業3000社・メーカー6500社との長年の取引をベースに、このビジネスを通じて得られる年間約12億件のビッグデータと小売業のサポートを通じて得られた生活者接点を生かし、食品流通業界の課題を解決します。
※3 Beacon Bank for OOH:unerryが運営する、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を活用したOOH(Out of Home)メディアの効果測定サービスです。
今後の展望
今後は分析精度の向上に加え、流通データ・媒体の拡張、データ連携の高度化を進め、OOH広告市場における効果可視化の標準化を目指します。
会社概要
株式会社東急エージェンシー
1961年に東急グループの総合広告会社として設立され、「お客さまの事業成長のために並走する、体験価値共創企業へ。」をビジョンに掲げています。マス/デジタル/東急グループのリアルな顧客接点を統合したソリューションを提供しています。
三菱食品株式会社
国内外の加工食品、低温食品、酒類及び菓子の卸売を主な事業内容とし、さらに物流事業及びその他サービス等の事業活動を展開しています。2025年には前身企業の設立から100周年を迎えます。
株式会社unerry
リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」を運営する2015年創業のデータカンパニーです。GPSおよびビーコン技術を活用し、約150のスマートフォンアプリから取得する約8.5億ID(うち国内約2.4億ID)の屋内外の人流ビッグデータをAIで解析し、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションを掲げています。






















