SEGA XD、「国内ゲーミフィケーション市場規模調査」を実施 2024年の提供事業者の市場規模は463億円と推定

活用事業者は1,600億円/2030年には約4倍に伸長と予測

ゲーミフィケーション事業を展開する株式会社セガ エックスディー(本社:東京都新宿区、代表取締役 社長執行役員CEO:谷 英高)は、2022年よりゲーミフィケーションカオスマップ編集委員会(以下:本委員会)を組織し、3年にわたり『国内ゲーミフィケーション業界カオスマップ』を制作・公開してきました。

この度、本委員会にて、さらなる国内ゲーミフィケーション業界の把握を目的に、日本初※1となる『国内ゲーミフィケーション市場規模調査(以下:本調査)』を実施し、国内における市場規模を試算・公開します。

なお、本委員会は、本年よりゲーミフィケーションの発展と普及を目指す「ゲーミフィケーション研究所(以下:本研究所)」に移管し、本研究所で市場把握をすることを目的とした分科会として活動していくことをお知らせします。

※1 当社調べ(2025年6月27日時点)

本調査では、ゲーミフィケーションを活用したサービス・商品を提供するいわゆる「提供事業者」と、ゲーミフィケーションを仕組みとして活用している事業者およびそれらを活用したことよる売上も含む「活用事業者(提供事業者含む)」の2種の市場規模を試算しました。

2024年の「提供事業者」ゲーミフィケーション市場規模は463億円、2030年の同市場は約4倍となる1,915億円と予測しました。なお、2024年の「活用事業者」ゲーミフィケーション市場規模は1,600億円と推定。これは同年の世界市場220億1,000万米ドル※2(1米ドル145円換算 約3兆2,000億円)のおよそ5.0%に相当します

※2 Gamification Global Market Report 2025
URL: https://www.thebusinessresearchcompany.com/report/gamification-global-market-report (2025.01)

実施背景

「ゲーミフィケーション※3」の概念は、2011年ごろに欧米を中心に広まり、日本でも一時期盛り上がりをみせました。2020年以降、DXや顧客体験がビジネスで重要視される昨今の時世もあり、有用性が再認識されています。
企業、市場および消費者調査を行うThe Business Research Company (ザ・ビジネスリサーチカンパニー)によると、世界のゲーミフィケーションの市場全体(推計基準年:2025年1月)は、2024年には220億1,000万米ドル(約3兆2,000億円)に達すると推定※2されており、世界のビジネスシーンにおいて、新潮流の1つになりつつあります。
世界のゲーミフィケーション市場に関する調査は複数実施されており、成長性の論拠として活用されてきましたが、日本国内に特化した市場規模の算定はこれまで行われておらず、業界関係者が共有できる客観的なデータが不足している状況でした。
そこで、ゲーミフィケーション市場把握委員会として、国内ゲーミフィケーション市場規模を明らかにすべく、日本国内におけるゲーミフィケーション市場の規模を定量的に把握するための調査を実施する運びとなりました。

※3 「ゲーミフィケーション」とは
URL:https://segaxd.co.jp/gamification/overview/

本調査におけるゲーミフィケーションの定義

本調査では、ゲーミフィケーションの定義を、日本ゲーミフィケーション協会の定義「『ゲーム要素』を活用して(ゲーム外の)やる気を高めるもの」と経済産業省 GDX人材育成事業での採択定義「ゲームの性質を踏まえた利活用」、ガートナーの定義「ゲームのメカニズムを非ゲーム的な分野に応用することで、ユーザーのモチベーションを高めたり、その行動に影響を及ぼしたりする幅広いトレンド」に当てはまる事業とし、調査を実施しました。

調査要綱

名称:国内ゲーミフィケーション市場規模調査
調査期間:2025年2月~ 6月
調査対象:2024年時点で上記定義のゲーミフィケーションに該当するサービス・商品を提供していた
     企業、団体、大学、個人(事業者)
調査方法:2024年に作成した「国内ゲーミフィケーション業界カオスマップ 2024年度版」に掲載され
     た企業・団体216社を対象に、カテゴリ別の売上等のアンケートを実施。
     うちインタビューに協力が得られた17社に対して活用事例と今後の市場の展望について
     インタビュー調査を実施しました。
推定対象:2024年1月1日~12月31日の期間におけるゲーミフィケーションを活用したサービス・商品
     を提供するいわゆる「提供事業者」と、ゲーミフィケーションを仕組みとして活用している
     事業者およびそれらを活用したことよる売上も含む「活用事業者(提供事業者含む)」の
     2種の日本国内の市場規模。「提供事業者」の市場規模の推定を主解析とし、「活用事業
     者」を副次解析としました。

市場規模の推定結果

調査票の回答をもとに、2024年のゲーミフィケーション市場規模を算出したところ、それぞれ「提供事業者」は463億円、「活用事業者」は1,600億円と推定されました。また、2030年の同市場規模は、「提供事業者」が1,915億円、「活用事業者」は6,619億円と予測されました。
インタビュー調査を通じて、ゲーミフィケーションは教育、企業研修、防災、地域づくり、福祉など多様な分野で活用が進んでいることが明らかになりました。特に教育・研修分野では、学習意欲や参加者の主体性を高める手法として導入が進んでいる傾向がありました。中でもよく使用されるゲーミフィケーション要素としては、スコア化や報酬付与に加え、アバター、ストーリーの導入、シミュレーションを通じた体験等を確認することができました。

ゲーミフィケーション市場の今後の見通しと課題

本調査を通して、ゲーミフィケーション市場は教育や防災、地域づくりなど多分野で導入が進み、今後も拡大が期待されています。一方で、「ゲーム=娯楽」という先入観、導入や運用(ファシリテーターの教育など)の手間、効果測定の難しさ、属人的な運用などの課題も顕在化していることがわかりました。

ゲーミフィケーション市場把握委員会の構成

本委員会は、ゲーミフィケーションカオスマップ委員会の体制を引き継ぎ、同様のメンバー(一部変更あり)で構成しています。今後も本委員会では、ゲーミフィケーション市場の実態を継続的に把握・共有していくことを目的に、市場規模調査・カオスマップ作成を実施・検討して参ります。

委員会メンバー(氏名の五十音順、敬称略)※委員会における役職はなし

株式会社エンタケア研究所

(兼務 株式会社電通コーポレートワン )

取締役

片山 智弘

遊びと学び研究所

所長

岸本 好弘

株式会社ゲーム・フォー・イット

代表取締役社長

後藤 誠

株式会社セガ エックスディー

部長

田岡 雄

conecuri合同会社

代表社員

高橋 龍征

エーテンラボ株式会社

代表取締役 CEO

長坂 剛

株式会社インターラクト

代表取締役

平林 久和

株式会社遭遇設計

代表取締役社長

広瀬 眞之介

有限会社GH9 

代表取締役

盛川 英典

事務局メンバー(氏名の五十音順、敬称略)

株式会社セガ エックスディー

杉谷 勝久

株式会社エンタケア研究所

田辺 龍之介

<市場規模調査に関するお問合せ>
本調査についてご質問、ご指摘、コメント等のある方は委員会事務局までご連絡ください。
・問い合わせ先:gami-market@segaxd.com

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