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VTuber/作家・バーチャル美少女ねむ、産総研「アバター国際標準化の国内検討委員会」委員就任「なりたい自分になれる権利の確立に向けて」

VTuber/作家・バーチャル美少女ねむは国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)「アバター国際標準化の国内検討委員会」の委員に就任したことを発表した。10月24日、産総研公式サイトで本委員会の設置が発表され、その目的と委員リストが公開された。本委員会は、メタバースやXRにおける仮想の身体である「アバター」を利用するコンテンツやサービス等を国際標準化機構(ISO)で国際規格化することを目指し、国内の業界やユーザの声を収集し規格開発に提言やアドバイスを行うことを目的としたものだ。委員には、国内メタバースサービス「バーチャルキャスト」や「cluster」を始めとした企業関係者や研究者に加え、国連会議「IGF京都」でのメタバース登壇や「ソーシャルVRライフスタイル調査」等の活動を行うVTuber/作家・バーチャル美少女ねむが就任した。本稿ではねむの就任コメントを発表する。

VTuber/作家・バーチャル美少女ねむ、産総研「アバター国際標準化の国内検討委員会」委員就任

産総研「アバター国際標準化の国内検討委員会」

以下、10月24日に産総研公式サイトに掲載された内容を引用する。

<本委員会の目的>
メタバースやXRを利用した製品・コンテンツ・サービス等は、現実の自分の身体に変わる仮想の身体(アバター)を使って体験されます。そのため、どのような設計のアバターを利用したコンテンツやサービスであるかは、ユーザの体験に影響する重要な情報です。本委員会は、国際標準化委員会ISO IEC/JTC1/SC35における、ユーザインターフェースとしてのアバターの規格の開発が、よりユーザ側および開発側に有意義な規格となることを目指して、国内の業界やユーザの声を収集し、規格開発に提言やアドバイスを行うことを目的とした各分野各業界の専門家による委員会です。

<委員(五十音順)>
岩城進之介 (VRMコンソーシアム/株式会社バーチャルキャスト)
大山潤爾 (産業技術総合研究所/筑波大学/SC35)
川本大功 (KDDI株式会社)
杉本麻樹 (慶応義塾大学/SC35)
武富貴史 (株式会社サイバーエージェント)
豊田啓介 (株式会社ノイズ/一般社団法人Metaverse Japan/東京大学)
仲田朝彦 (株式会社三越伊勢丹)
バーチャル美少女ねむ (有識者)
原田佑規 (京都先端科学大学/SC35)
平木剛史 (クラスター株式会社)
目黒慎吾 (博報堂DYホールディングス/拡張体験デザイン協会)

※出典:産総研公式サイト https://unit.aist.go.jp/harc/daax/d_cns_standardization.html

バーチャル美少女ねむ委員就任コメント「なりたい自分になれる権利の確立に向けて」

以下、バーチャル美少女ねむの就任コメントを掲載する。

* * *

「アバター」はメタバースにおける私たちの身体です。自分自身の存在を表現する「アイデンティティ」であり、他者との「コミュニケーションツール」であり、ファッションをはじめとした「経済を突き動かす要因」であり、他者や世界を感じるための「感覚器官」でもあります。

そんなメタバース体験の根幹となるアバターですが、現状は利用やデザインにあたってユーザーが自分で複雑な設定をしなければならなかったり、他プラットフォームに持ち込むのが難しかったり、様々な課題があります。メタバースを真の意味で自由にありたい姿で存在できる世界にする「なりたい自分になれる権利」の確立に向けて、これらの課題解決に向けたアバター体験の標準化は極めて重要です。

一方で標準化にあたっては、様々な国や文化圏・プラットフォームで非常に幅広い使い方をされているアバターの多様性をいかにカバーしていくかという難しい問題があります。例えば、海外では人体をフォトリアルにコピーすることに主眼がおかれがちで、日本では当たり前のアニメ的なデフォルメや漫画記号的な表現が見過されることも多いです。さらに一部欧米圏などでは「文化の盗用」が社会的な批判の対象にされやすいこともあり、メタバースでも物理現実と同じ性別・年齢・人種の姿でいるべきだといった「なりたい自分になれる権利」が大きく制限される風潮に向かってしまう懸念もあります。

そんななか、アバターの多様性について柔軟な価値観をもった日本から今回の標準化の動きが起こったことは、これからの人類にとって大きな意義があります。また、私は「中の人」としてではなく、アバターとボイスチェンジャーを利用して仮想人格「バーチャル美少女ねむ」として会議に参加させて頂きます。公的組織の委員会に参加することは、バーチャルな存在の新たな活動の可能性への挑戦という観点でも意味があるのではないかと思います。一委員として、バーチャルな一存在として、自由なメタバースの未来のため、全霊を尽くしたいと思います。

バーチャル美少女ねむ

* * *

※出典:バーチャル美少女ねむ公式note https://note.com/nemchan_nel/n/ncde989be1ce3

VTuber/作家「バーチャル美少女ねむ」

VTuber/作家。黎明期の仮想世界で生きる「メタバース原住民」にして、その文化を伝える「メタバース文化エバンジェリスト」として活動。メタバースの革命性や「なりたい自分になれる権利」の概念・アバターの普及に向けた課題を論じた著書『メタバース進化論』(2022年、技術評論社)で「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門”大賞”を受賞。国連の国際会議「IGF京都2023」ではメタバースからの登壇を行った。アバター文化への貢献が認められ、一般社団法人VRMコンソーシアムよりキズナアイ以来史上二人目となる「アバターアワード2022 特別功労賞」受賞。MoguLive VTuber Award 2023では「今年最も輝いたVTuber」に選出された。

・X : https://x.com/nemchan_nel
・YouTube : https://www.youtube.com/nemchan_nel

※出典:VTuberバーチャル美少女ねむの書籍が「ITエンジニア本大賞2023」を受賞(窓の杜) https://forest.watch.impress.co.jp/docs/bookwatch/news/1478552.html

※出典:バーチャル美少女ねむ、国連会議「IGF京都」に登壇 メタバースの革新性を解説 (KAI-YOU) https://kai-you.net/article/87908

参考:ソーシャルVRライフスタイル調査

バーチャル美少女ねむとスイスの人類学者リュドミラ・ブレディキナによる研究ユニット「Nem x Mila」がメタバース住人の生活実態を明らかにするため、全世界のユーザーを対象に定期的に実施している大規模公開アンケート調査。人類とメタバースの未来に向けたオープンな議論を活性化させるためレポ―トは全ページ無償公開されている。2023年に行われた第2回定量調査では回答数が約2,000件と過去最大になった。2024年に実施した定性調査では、産総研人間拡張研究センター(HARC)大山潤爾博士がスーパーバイザーとして協力している。

 ※レポート:ソーシャルVRライフスタイル調査2023 (Nem x Mila, 2023)  https://note.com/nemchan_nel/n/n167e77d78711

※参考:メタバース住人の調査レポート「ソーシャルVRライフスタイル調査2023」公開 41%が恋をし、18%が年間10万円以上を消費(PANORA) https://panora.tokyo/archives/74178

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