社内バックグラウンドチェックの目的とは?調査内容を詳しく解説

5月 3, 2022

バックグラウンドチェックは、日本では主に外資系企業で実施されていますが、あまり耳にしたことがない人も多いのではないでしょうか。アメリカでは多くの企業で実施されているバックグラウンドチェックは、日本ビジネスのグローバル化にともない、今後さらに求められることが予想されます。

バックグラウンドチェックは3種類あり、目的によって内容が異なります。今回は3種類の中でも社内バックグラウンドチェックに焦点を当て、実施目的や調査内容について解説するので参考にしてください。
Japan PI、社内バックグラウンドチェックの目的とは?調査内容を詳しく解説

KINTOKINTO

バックグラウンドチェックとは

バックグラウンドチェックには、以下の3種類があります。

1. 採用選考における応募者の経歴調査
2. 訴訟時の身元確認調査
3. M&Aに関わる会社の信用調査

上記のうち、主に社内で行うバックグラウンドチェックは1の、採用選考における応募者の経歴調査で実施されます。他にも訴訟時の身元確認や、会社の買収といったM&Aに関わる信用調査のデューデリジェンスもバックグラウンドチェックです。

社内バックグラウンドチェックでは、企業が応募者の採用選考を行う際、経歴詐称や問題がないか調べます。採用調査・雇用調査・前職調査などとも呼ばれており、実施する際は企業が調査会社に依頼するのが一般的です。

日本でのバックグラウンドチェックは外資系や一部企業に限られ、まだまだ浸透していないのが実情です。しかし、NAPBS(世界的採用調査協会)が後援するHR.comのレポートでは、アメリカでは95%の雇用者に対し、バックグラウンドチェックが一般的に実施されています。(2018年度調査)

働き方の多様化や外国人雇用者の増加など、さまざまな価値観や経歴を持つ人達で構成される企業が増えているからこそ応募者の経歴確認は重要です。採用選考でバックグラウンドチェックを行い応募者の経歴を調査することによって、企業にとってリスクとなり得る人物の採用やトラブルを未然に防げます。

日本ビジネスの世界進出やグローバル化に伴い、今後バックグラウンドチェックがスタンダードになる企業は増えていくと考えられます。

社内バックグラウンドチェックの目的

社内バックグラウンドチェックの目的は、採用後の問題発生リスクを防ぎ会社の信用や従業員を守ることです。企業は採用時に過去の経歴や面接から得る情報をもとに選考しますが、応募者は内容を偽ることや不都合な部分を隠すこともできてしまいます。

情報の正確性を確認しないまま経歴を詐称した人物を採用してしまうと、期待した利益を生まなかったり何らかの問題が起きたりする可能性があります。また、過去の犯罪歴を知らずに採用した結果、訴訟問題に発展し損害を被るケースや、企業の信用を失う場合もあるのです。

しかし応募者の経歴に虚偽や隠ぺいがないことを確認できていれば、企業にとってのリスクを最小限に抑えられます。何らかのトラブルが生じた際にも従業員を信頼し、問題に対処することができるのです。

バックグラウンドチェックを実施する際は候補者の同意が必要で、以前は役職候補者や金融機関への転職希望者に限り行われていました。しかし近年では、経歴内容が正しく信頼して採用できるかを確認するため、採用候補者であれば職種に関わらずバックグラウンドチェックを行う企業が増えています。

社内バックグラウンドチェックの調査内容

社内バックグラウンドチェックの内容は、以下の通りです。

• 学歴
• 職歴
• 勤務実績・態度
• 反社会勢力との関係
• 破産歴・民事訴訟歴の有無
• 犯罪歴
• インターネット・SNS調査
• 近隣調査

調査内容は目的や業種・役職によっても異なります。調査に必要な情報のみを厳選するのと同時に、法令を遵守している専門機関に依頼するのが適切です。

特に本人の思想や信条といった自由であるべき内容は、慎重に取り扱わなければなりません。個人情報が含まれる調査内容も多く、個人情報保護法や職業安定法など法律に関係するものもあるため注意が必要です。

ここからは、社内バックグラウンドチェックの調査内容を詳しく紹介します。

• 学歴

履歴書の学歴に相違がないか、入学・卒業の有無や年度など卒業証書の提出を求めて確認します。学校に事実確認をとることもあり、情報が違った場合は学歴詐称になります。

• 職歴

履歴書の職歴に相違がないか、在籍期間や雇用形態、職務内容などを前職の勤務先に確認します。電話やSNS投稿で確認し、情報が違った場合は経歴詐称になります。

• 勤務実績・態度

前職の勤務実績や態度を、以前の勤務先の上司や同僚に電話やオンラインアンケートで確認します。リファレンスチェックとも呼ばれており、確認する相手を候補者が指定できるのが特徴です。

• 反社会的勢力との関係

反社会勢力との関係がないか確認します。ニュースなどのメディア情報や、反社会勢力専門機関の独自ネットワークで調査します。

• 破産歴・民事訴訟歴の有無

官報に自己破産歴の情報がないか、民事訴訟歴の有無も調査します。民事訴訟歴は調査会社が独自のデータベースをもとに確認するのが一般的です。

• 犯罪歴

日本では犯罪歴が原則非公開となっているため、インターネットやSNS、ニュースなどのメディア情報を調査します。

• インターネット・SNS調査

インターネットやSNSでは、プライベートにおいて社会人として不適切な投稿や行動がないか確認します。

• 近隣調査

候補者の居住地周辺で、生活情報の確認や近隣住民に聞き込み調査をします。

また、企業がM&Aに関わる際のデューデリジェンスとしてバックグラウンドチェックをする場合、資産情報の資料分析や対象場所の現地確認、聞き取り調査などを行います。

まとめ

バックグラウンドチェックは採用後のリスクを回避するために行う経歴調査の他、訴訟に関わる際の身元確認や、M&Aのデューデリジェンスとして行われます。社内で行うバックグラウンドチェックは、主に企業が応募者の経歴に偽りがないことを確認し、採用後のトラブルを防ぐための調査です。

バックグラウンドチェックで情報の正確性を確認しておくことで、企業は社員を信頼して採用できます。さらに在籍する従業員や会社にとってのリスク回避になり、企業の信用を守ることにつながるのです。

目的や業種などによってバックグラウンドチェックに必要な情報は異なり、調査内容によっては法律に関わる項目も含まれます。そのため注意点として、バックグラウンドチェックは専門の調査機関に依頼して行うのが一般的です。調査機関に依頼することで、より詳細な情報を確認することができます。

企業の利益やリスク回避のため、採用候補者の経歴や背景確認は重要です。ビジネスのグローバル化や雇用方法が多様化する日本において、今後さらにバックグラウンドチェックの必要性は求められていくでしょう。

記事提供:JapanPI
参考記事:https://www.japanpi.com/ja/blog/business/what-is-background-check/